14.5. 例
- No associated Lean code or declarations.
積分型線形汎関数.
X=C([0,1]) とし,
I(f):=\int_0^1 f(x)\,dx (f\in C([0,1])) と定める.
すると
I:C([0,1])\to \RR は有界線形作用素であり,\|I\|=1 である.
線形性は積分の線形性から従う.
また任意の f\in C([0,1]) に対して
|I(f)|
=
\left|\int_0^1 f(x)\,dx\right|
\le
\int_0^1 |f(x)|\,dx
\le
\|f\|_\infty
だから
\|I\|\le 1 である.
一方,定数関数 f\equiv 1 に対して
\|f\|_\infty=1,I(f)=1 であるから \|I\|\ge 1 である.
したがって \|I\|=1 である.
- No associated Lean code or declarations.
積分作用素.
X=C([0,1]) とし,
(Tf)(x):=\int_0^x f(t)\,dt (0\le x\le 1) と定める.
すると
T:C([0,1])\to C([0,1]) は有界線形作用素であり,\|T\|=1 である.
まず線形性は積分の線形性から従う.
次に Tf が連続であることを示す.
x,y\in[0,1] とし,x<y とすると
Tf(y)-Tf(x)=\int_x^y f(t)\,dt だから
|Tf(y)-Tf(x)|
\le
\int_x^y |f(t)|\,dt
\le
\|f\|_\infty |y-x|.
よって Tf は連続である.
さらに任意の x\in[0,1] に対して
|Tf(x)|
\le
\int_0^x |f(t)|\,dt
\le
\|f\|_\infty x
\le
\|f\|_\infty
であるから
\|Tf\|_\infty\le \|f\|_\infty である.
したがって T は有界線形作用素であり \|T\|\le 1 である.
一方,f\equiv 1 とすると
(Tf)(x)=x だから \|Tf\|_\infty=1=\|f\|_\infty である.
したがって \|T\|=1 を得る.
- No associated Lean code or declarations.
非有界な微分作用素.
D:C^1([0,1])\to C([0,1]),Df:=f' を考える.
ただし定義域 C^1([0,1]) には sup-norm
\|f\|_\infty:=\sup_{x\in[0,1]}|f(x)| を入れる.
このとき D は線形だが有界ではない.
線形性は微分の線形性から従う.
有界でないことを示すため
f_n(x):=x^n (n\in\NN) を考える.
すると
\|f_n\|_\infty=1 である.
一方,
Df_n(x)=nx^{n-1} だから \|Df_n\|_\infty=n である.
もし D が有界なら,ある定数 C\ge 0 が存在して
\|Df_n\|_\infty\le C\|f_n\|_\infty=C がすべての n で成り立つはずである.
しかし
\|Df_n\|_\infty=n\to\infty だから矛盾である.
したがって D は有界ではない.
Remark.
同じ微分作用素でも,
定義域に
\|f\|_{C^1}:=\|f\|_\infty+\|f'\|_\infty というノルムを入れれば
\|Df\|_\infty\le \|f\|_{C^1} となり,有界線形作用素になる.
したがって「作用素が有界かどうか」は,
作用素そのものだけでなく,定義域と値域にどのノルムを入れるかにも依存する.