14.4. \mathcal B(X,Y) の完備性
- No associated Lean code or declarations.
Y がBanach空間ならば
\mathcal B(X,Y) は作用素ノルムに関してBanach空間である.
\{T_n\}_{n=1}^{\infty} を \mathcal B(X,Y) のCauchy列とする.
すなわち任意の \eps>0 に対して,ある N が存在して
m,n\ge N \implies \|T_n-T_m\|<\eps である.
まず各 x\in X について \{T_n(x)\} が Y でCauchy列になることを示す.
実際,
\|T_n(x)-T_m(x)\|_Y
\le
\|T_n-T_m\|\,\|x\|_X
だからである.
Y はBanach空間なので,極限
T(x):=\lim_{n\to\infty}T_n(x) が存在する.
こうして写像 T:X\to Y が定まる.
次に T が線形であることを示す.
x,y\in X,a,b\in\RR に対して
T_n(ax+by)=aT_n(x)+bT_n(y) であり,n\to\infty とすれば
T(ax+by)=aT(x)+bT(y) を得る.
したがって T は線形である.
さらに T が有界であることを示す.
\{T_n\} はCauchy列だから,ある N_0 が存在して
n,m\ge N_0 \implies \|T_n-T_m\|\le 1 である.
特に n\ge N_0 とすると
\|T_n\|\le \|T_{N_0}\|+\|T_n-T_{N_0}\|\le \|T_{N_0}\|+1 である.
したがって
M:=\max\{\|T_1\|,\dots,\|T_{N_0-1}\|,\|T_{N_0}\|+1\} とおけば,
すべての n とすべての x\in X に対して \|T_n(x)\|_Y\le M\|x\|_X が成り立つ.
n\to\infty とすれば
\|T(x)\|_Y\le M\|x\|_X を得る.
よって T\in\mathcal B(X,Y) である.
最後に T_n\to T が作用素ノルムで成り立つことを示す.
\eps>0 を与え,上のCauchy条件を満たす N を取る.
n\ge N とし,\|x\|_X\le 1 を満たす任意の x を取る.
すると任意の m\ge N に対して
\|(T_n-T_m)(x)\|_Y\le \|T_n-T_m\|<\eps である.
m\to\infty とすると
\|(T_n-T)(x)\|_Y\le \eps を得る.
これは \|x\|_X\le 1 の任意の x に対して成り立つから
\|T_n-T\|\le \eps (n\ge N) である.
したがって \|T_n-T\|\to 0 である.
よって \mathcal B(X,Y) は完備である.