14.2. 線形作用素と連続性
以後,X,Y をノルム空間とする.
- No associated Lean code or declarations.
線形作用素.
写像 T:X\to Y が線形作用素であるとは,任意の x,y\in X と任意の a,b\in\RR に対して
T(ax+by)=aT(x)+bT(y) が成り立つことをいう.
- No associated Lean code or declarations.
点列連続.
線形作用素 T:X\to Y が点 x_0\in X で点列連続であるとは,
任意の点列 \{x_n\}_{n=1}^{\infty}\subset X に対して
x_n\to x_0 が X で成り立つならば T(x_n)\to T(x_0) が Y で成り立つことをいう.
- No associated Lean code or declarations.
Lipschitz連続.
写像 T:X\to Y がLipschitz連続であるとは,
ある定数 C\ge 0 が存在して
\|T(x)-T(y)\|_Y\le C\|x-y\|_X
\qquad (x,y\in X)
が成り立つことをいう.
- No associated Lean code or declarations.
線形作用素の連続性の判定.
線形作用素 T:X\to Y に対して,次は同値である.
-
Tは0で点列連続である -
ある定数
C\ge 0が存在して
\|T(x)\|_Y\le C\|x\|_X
\qquad (x\in X)
が成り立つ
-
TはLipschitz連続である
(2) \Rightarrow (3)quad
任意の x,y\in X に対して,線形性より
T(x)-T(y)=T(x-y) だから
\|T(x)-T(y)\|_Y
=
\|T(x-y)\|_Y
\le
C\|x-y\|_X.
したがって T はLipschitz連続である.
(3) \Rightarrow (1)quad
x_n\to 0 とする.
Lipschitz連続性より
\|T(x_n)-T(0)\|_Y\le C\|x_n\|_X\to 0 である.
線形性から T(0)=0 だから
T(x_n)\to 0 である.
よって T は 0 で点列連続である.
(1) \Rightarrow (2)quad
背理法で示す.
もし (2) が成り立たないなら,
任意の n\in\NN に対してある x_n\in X が存在して
\|T(x_n)\|_Y>n\|x_n\|_X となる.
このとき x_n\ne 0 である.
そこで
y_n:=x_n/(n\|x_n\|_X) とおくと \|y_n\|_X=1/n\to 0 である.
一方,
\|T(y_n)\|_Y=\|T(x_n)\|_Y/(n\|x_n\|_X)>1 だから
T(y_n)\not\to 0 である.
これは 0 での点列連続性に反する.
したがって (2) が成り立つ.
- No associated Lean code or declarations.
線形作用素 T:X\to Y が 0 で点列連続ならば,
任意の点 x_0\in X で点列連続である.
前定理より,ある C\ge 0 が存在して
\|T(x)\|_Y\le C\|x\|_X (x\in X) が成り立つ.
x_n\to x_0 とすると
\|T(x_n)-T(x_0)\|_Y
=
\|T(x_n-x_0)\|_Y
\le
C\|x_n-x_0\|_X\to 0
である.
したがって T は x_0 で点列連続である.
- No associated Lean code or declarations.
有界線形作用素. 前定理の条件を満たす線形作用素を有界線形作用素 (bounded linear operator, BLO)という.
Remark.
線形作用素では,
\text{点列連続} \iff \text{Lipschitz連続} \iff \text{有界} である.
これは一般の非線形写像では成り立たない.
線形性が入ることで,連続性の判定が非常に簡単になる.