13.6. 解釈とまとめ
Banach空間では長さだけを見ていたが,
Hilbert空間では内積によって
\text{長さ},\text{角度},\text{直交} が同時に扱えるようになった.
特に重要なのは,
L^2(X) がHilbert空間になることである.
ここでは関数の直交性が積分
\int_X f g\,d\mu で表されるため,
積分論と線形代数が直接結びつく.
さらに正規直交系を用いると,
任意のベクトル x を
\langle x,e_n\rangle という係数で解析できる.
Bessel の不等式と Parseval の等式は,
この展開がエネルギー保存
\|x\|^2 と整合的であることを示している.
次章では,こうした空間のあいだを結ぶ写像として
線形作用素を導入する.