13.3. L^2(X) はHilbert空間
以後,測度空間 (X,\calM,\mu) を固定する.
- No associated Lean code or declarations.
L^2 の内積.
f,g\in L^2(X) に対して \langle f,g\rangle:=\int_X f g\,d\mu と定める.
- No associated Lean code or declarations.
上の式は L^2(X) 上のwell-definedな内積である.
まず f,g\in L^2(X) なら,
前章の Hölder の不等式を p=q=2 に適用して
\int_X |fg|\,d\mu\le \|f\|_2\|g\|_2<\infty を得る.
したがって積分は有限である.
また f=f' a.e., g=g' a.e. なら
fg=f'g' a.e. だから,第8章の a.e. 不変性より
\int_X fg\,d\mu=\int_X f'g'\,d\mu である.
よってこの式は同値類の取り方によらない.
線形性と対称性は積分の線形性から直ちに従う.
さらに \langle f,f\rangle=\int_X f^2\,d\mu\ge 0 である.
もし \langle f,f\rangle=0 なら \int_X f^2\,d\mu=0 であり,
第9章の「積分が 0 であることの判定」より f^2=0 a.e. である.
したがって f=0 a.e. である.
すなわち L^2 の元として f=0 である.
以上より,これは内積である.
- No associated Lean code or declarations.
L^2(X) は上の内積に関してHilbert空間である.
直前の命題より,L^2(X) は内積空間である.
この内積が誘導するノルムは
\|f\|=\sqrt{\langle f,f\rangle}=\left(\int_X |f|^2\,d\mu\right)^{1/2}=\|f\|_2 である.
前章の Riesz--Fischer の定理より,
L^2(X) はこのノルムに関して完備である.
したがって L^2(X) はHilbert空間である.
- No associated Lean code or declarations.
X=[0,1] とし \lambda をLebesgue測度とすると,
L^2([0,1],\lambda) はHilbert空間である.
ここでの内積は \langle f,g\rangle=\int_0^1 f(x)g(x)\,dx である.
確率論では,確率空間上の L^2 は「二乗平均が有限な確率変数全体」の空間になる.