12.7. 解釈とまとめ
Banach空間の本質は,
「極限を取っても空間の外へ出ない」
という点にある.
有限次元の \RR^d ではこれは座標ごとに従ったが,
関数空間では積分論が必要になった.
本章で得た代表的なBanach空間は次の2つである.
-
コンパクト空間上の連続関数空間
C(X),\|f\|_\infty=\sup_{x\in X}|f(x)| -
測度空間上の可積分関数空間
L^p(X),\|f\|_p=\left(\int_X |f|^p\,d\mu\right)^{1/p}
特に L^p 空間では,
Hölder の不等式と Minkowski の不等式が
積や和の計算を支え,
Riesz--Fischer の定理が完備性を保証した.
次章では p=2 の場合をさらに詳しく見て,
角度や直交が使えるHilbert空間へ進む.