Lebesgue積分講義ノート

6.8. まとめ🔗

本章では,Lebesgue流の測度論をCarathéodory流の一般論として捉え直した. 内測度を使って定義したLebesgue可測性は, Corollary 5.4.5により Lebesgue外測度に関するCarathéodory可測性と一致する. この観点では,可測集合とは外測度を内側と外側に正しく分割する集合であり, Theorem 6.3.3により,その全体は自然に \sigma-加法族をなす.

また,半加法族上の前測度から誘導外測度を作り, Carathéodory可測集合へ制限することで測度を得る手順を見た. Theorem 6.5.3は, 区間の体積からLebesgue測度を作る構成が, 一般の測度構成の一例であることを説明している. この枠組みでは,数え上げ測度やDirac測度も同じ「可測空間上の測度」として扱える.

Borel集合族は位相から生成される標準的な \sigma-加法族であり, Lebesgue測度はBorel測度の完備化として得られる. 一方で,Vitali集合やBanach--Tarskiのパラドックスが示すように, 可算加法性,平行移動不変性,通常の体積との整合性を保ったまま すべての部分集合を測ることはできない. これで,Lebesgue積分を支える測度論の土台は一段落する.