Lebesgue積分講義ノート

3.1. 動機づけ🔗

Jordan測度は有限個の区間による近似に基づく理論であるため,

A = \QQ \cap [0,1]

のような集合はJordan可測にならない. 有限個の区間で A を覆おうとすると, A[0,1] に稠密であるため, 結局 [0,1] 全体に近い長さが必要になるからである.

しかし,もし可算個の区間を使ってよいなら事情は変わる. A=\{q_1,q_2,\dots\} と番号づけて, 各点 q_n を長さ \eps 2^{-n} の区間で覆えば, 全体の長さの和は

\sum_{n=1}^{\infty} \eps 2^{-n} = \eps

になる. したがって,\QQ \cap [0,1] の長さは 0 とみなすのが自然である.

この観察は,Jordan理論の限界が 「被覆が有限個に制限されていること」にあることを示している. そこで,有限被覆を可算被覆に置き換えてLebesgue外測度を導入する.